NGC Ch AU 5/5 5/5 Pacorus, c.AD 78–120 PARTHIAN KINGDOM AR Drachm
 
こちらのコインは、第三者鑑定機関である米国のNGC社によって鑑定されているものになりますので、贋作の心配はありません。
商品の状態はCh AU（Choice About Uncirculated）で、
打刻5点、
表面状態5点。
Strike（打刻）・Surface（表面状態）ともに満点の「ダブル5」を獲得しており、パルティア銀貨の中でも極めて優れた保存状態を誇ります。
古代コインにしばしば見られるネガティブコメント（Scratch/傷、Countermark/追刻、edge cuts/欠けなど）は一切付与されておらず、鋳造時のディテールが非常に鮮明に残っています。
表面には王冠を戴くパコルス王の肖像、裏面には弓を持つアルサケス1世（Arsaces I）の坐像が刻印されています。
この図像は、パルティア王朝の創始者アルサケス1世の権威を継承することを象徴しており、歴代の王たちは彼を神格化した形でコインに描きました。
そのため本デザインは、王朝の正統性と神聖な血統を示す政治的メッセージを含んでいます。
なお、一部の学者の間では、このコインがヴォロガセス3世（Vologases III）の発行である可能性も指摘されています。
パルティア王朝は同時期に複数の王が並立していたため、系譜や発行地に関しては諸説が存在しますが、いずれにしてもこの銀貨は1世紀末〜2世紀初頭のパルティア美術と政治的複雑性を映す貴重な資料です。
本コインは、パルティア王国の東西文化が融合した独特の肖像表現を見事に伝えており、ギリシャ的写実とペルシア的象徴が調和した芸術性の高さでも知られています。
保存状態・打刻品質ともに高クラスで、収集家・研究者の双方にとって価値ある一枚です。
 
〈NGC鑑定番号〉
6607112-019
https://www.ngccoin.com/certlookup/6607112-019/NGCAncients/