NGC Ancients(NGC鑑定の古代コイン)に対して真贋性の不保証について
①NGC公式の立場について
NGCの公式ウェブサイトでも、古代コインに対しては真贋性や年代、帰属などの保証を行っていないことが明記されています。NGCは「本物と判断されたコインのみ鑑定する」という方針を掲げており、モダンコインと異なり、古代コインには製造記録や科学的証拠が不足しているため、これを保証することが現実的に不可能であると説明されています。
参考:
NGC公式ページ「古代コイン保証について」
https://www.ngccoin.com/specialty-services/ancient-coins/guarantee.aspx
②NGC鑑定済み古代コインへの誤解
日本国内では、NGC鑑定済み古代コインは真贋保証がない」という点を取り上げられておりますが、
古代コイン市場が成熟している海外では、この点は周知の事実として受け止められており、
特別な問題視はされていません。
むしろ、こうした背景を理解したうえで取引が行われるのが、グローバルスタンダードとなっています。
③なぜ古代コインに真贋保証がないのか
NGCが古代コインに対して真贋保証を行わない理由は、明確かつ合理的です。近代コインであれば、製造記録やデータ、文書資料が豊富に残っており、これに基づいて確実な鑑定が可能です。一方で、2000年以上前に製造された古代コインには、製造に関する記録がほぼ存在しません。そのため、真贋を科学的に確定することは不可能であり、NGCもこの点を公式に認めています。
④NGCの鑑定の信頼性
NGCは「偽物をスラブ(ケース)に入れない」という厳格な方針を採用しています。
偽物と判断されたコインは「NOT GENUINE」と表記され、スラブ化されることはありません。
また、真贋の確定が困難な場合には「NO DECISION」とされるほか、
古代に作られた偽物であると断定された場合には「Ancient Forgery」という特別な表記が行われます。
これらの厳しい基準は、NGCの鑑定が非常に信頼性の高いものであることを証明しています。
④グレード保証についての補足
NGCでは、古代コインの真贋保証は行いませんが、グレード(保存状態)の保証は提供しています。仮に過大評価が行われた場合、鑑定結果の訂正とともに、正しい評価額との差額を補償する制度を設けています。
このように、NGCは可能な範囲で購入者の利益を守る仕組みを整えています。
⑤リスクと対策
古代コイン市場では、信頼できる機関や販売業者からの購入が重要です。
NGCやIBSCCといった第三者機関の鑑定を経たコインを選ぶことで、偽物リスクを大幅に減らすことができます。
また、大手オークション会社では、仮に偽物であると判明した場合に返金対応が行われる場合が多いため、
購入者保護の観点からも安全性が高い取引が可能です。


